SiLKy

 イングランドには家に棲みつき家事などをやってくれるブラウニーという親切な妖精がいる。シルキーはその女性版と言われており、動くたびに絹の服がさらさらと音をたてるのでこのように呼ばれているという。彼女は死んだ人間の亡霊と言われれており、家事を怠ける召使にとっては恐怖の対象のようだ。
 その中でも足手まといなシルキーの話が伝わっている。
 ノーサンバランドのブラック・へドンにいるシルキーはとても悪戯好きだった。彼女は散らかしてあるものをきちんと片付けてくれるが、逆に片づけてあるものを散らかす困った面があったのだ。彼女にはお気に入りの場所があり、人工池の側にある老木の枝にいつも腰かけていた。その老木の枝は彼女がいなくなったあとも『シルキーの椅子』と呼ばれていたそうである。この椅子に腰かけているとき、彼女は通りがかる馬車や人をよく止めたという。彼女の悪戯に引っかからなかったのはナナカマドで作った十字架を持っている者だけだった。
 ある日、土地の名主邸(へドン・ホール)の天井が崩れ、金貨がたっぷりと入った皮袋が落ちてきた。それ以来、シルキーは姿を見せなくなったという。彼女は財宝を天井裏に隠した人の亡霊ではないかと言われている。
 古い屋敷には家事をしてくれるシルキーが棲むこともあるらしい。
 ニューカッスルのデントン邸にもシルキーがいた。この屋敷には姉妹が住んでいたが、彼女たちは広い屋敷の面倒をすっかりシルキーにみてもらっていたようだ。だが姉妹が亡くなった後に屋敷を継いだ男性はシルキーと折り合いが悪く、彼女にさんざん嫌がらせを受けて屋敷を出ていってしまった。

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