​花吐き少年と、虚ろ竜

朽ちた花

Tio estas, de knabo kaj kava drako kraĉ floro filino de la historio de amo.


 腐った肉の香りがした。
 磯の香りと、生臭い海風の香りに混じって、腐りかけた人の香りがしたのだ。メルマイドは薄紅色の眼を顰め、香りの元を見つめる。
 それは砂浜に打ち捨てられた生ごみだった。腐ってヘドロみたく溶けた皮膚には蛆がたかり、凸凹とした皮膚の内と外を行ったり来たりしている。
 海に流れ着いた流木のごとくそれの体は痩せ細り、蛆の湧いた肌は今にも体からずり落ちそうだった。もうずり落ちて、純白の骨が見え隠れしている場所もある。
 けれども、それの胸はかすかに動いていた。腐りかけた唇から、それはかすかに息を漏もらしていた。
 大きく落ちくぼんだ銀の眼がメルマイドに向けられる。
 そしてそれは、優しくメルマイドに微笑んだのだ。

 

Back       Next

ケモノの物書き堂はナマケモノの一次創作ブログです。創作関連の最新情報はこちらまで。

 

This site was designed with the
.com
website builder. Create your website today.
Start Now